属人的なもの part2


先日の続き。
少し頭が整理されました。カテゴリも変更です。


結局、今回の失敗した(直接の被害は無かったとは言え、大手を振って成功したとは言えない。)要因の1つに、「思い込み」が多々存在した事が挙げられます。


今回のシステムの範囲外とは言え、現場のシステムすべての根底に流れている、「保険の知識」というもの。
共通で使用される言葉やデータの定義でも、一般的には使われない、俗に言う「業界用語」。
ただ、いくら社内共通用語だとしても、どのようなシステムに関わっているのか、重きをおいているのかによって、実は若干ではあるが違いがあったりする。
そしてこれが実は大きな間違いの元となる事が少なからずある。


具体的な事例で言うと、
保険というものには、「保険期間」と呼ばれるものが存在します。
顧客からの集金を担当するシステム関係者は「保険料の払込が終了する期間」として使用しています。
保険の保全(保険金を払ったりする)を担当するシステム関係者は「保険が適用される期間」として使用しています。
関わった事が無い人には伝わりづらいけど、バリューとしては、1日ほど違ったりするんですよ。
保険の内容によっては、「保険料の払込が終了する期間」は80歳まで、「保険の保証が適用される期間」は一生涯ってのが存在したりします。


これだけ内容が違うのに、同じ「保険期間」とし、いろんな方が、打ち合わせで発言し、設計書に記載し、プログラム開発を行なうわけです。
数年経験している方は、保険の内容を熟知しており、それらの違いを即座に判別しています。
本人にとってはごく当たり前の事で、その違いを明記する事が無い場合がほとんど。
これで新しく関わった人が一体どうなるかは目に見えると思います。
今回オイラ自身、その罠(?)に嵌ってしまい、最終的な運用テスト段階で発覚、あたふたしてしまいました。


そういう同じ言葉なのに、その意味が違うというケースは多々存在すると思われます。
知ってる人はその違いを知っている、知らない人は違いどころか意味が違う事すら知らない。
そんな属人的な事柄が、思わぬ罠となって襲い掛かってくるんだな。


そんな事を痛感した今回の開発でした。
根本的な解決をするには相当な時間と労力を要するんだろうなぁ。