何も言えなくて、冬

電車にて。


とあるお年頃な女の子、いったんおりたのに、また乗ってきた。


ん?見てると、何やらカバンをゴソゴソ。探し物かな?


ふと足元を見ると、手袋かマフラーみたいなかたまりが。
あ!これじゃないか?
そう思うも声が出ない、ちょっと恥ずかしいから。


電車のドアが閉まる音楽がなり響く、やばい、時間がない。


あ、あの・・・、勇気を出したその瞬間。
あ!彼女が足元に気づき、脱兎のごとく掴んで出ていく・・・


そして咳払いをするオイラ。


そうだ、今日はおでんにしよう。