いつか大人になった時に・・・


という題名で、「出来れば私のことは忘れて欲しい」という書き出しで始まる、
小1の時の恩師よりいただいたお話。

とあるあぜ道での話。
男が荷台を引いている。
前日まで降り続いた長雨のせいで道はぬかるみ、荷台は思うように進まない。
男は額に汗しながら懸命に荷台を引いている。
と、荷台の車輪がぬかるみにはまり込んでしまった。
男はさらに額に汗をかきながら懸命に引くが、荷台は全く進もうとしない。
それでも男は懸命になって荷台を引く・・・


すると、道端にあった地蔵が突如お釈迦様に姿を変えた。
男はそれに全く気がつかない。
お釈迦様は荷台に近づくと、そっと手を触れた。
途端、するりと車輪がぬかるみから抜け、荷台が進み始めた。


男は、再び意気揚々と荷台を引いてその場を去っていく。
お釈迦様には気づかずに・・・
その顔は自分で乗り越えたという自身の表情に満ちている。


私はそんな教師になりたいとその先生は締めておりました。


何か急に思い出しました。
そういう教え方もあるのかもしれない。


その先生、親以外で初めてオイラを殴った方で、最高に怖い大人です。
忘れられるわけ無いですよ。
多謝。