モンスター

モンスター 通常版 [DVD]
★★★★☆(75点)


多分、「綺麗なブロンド女優」といえば必ず名前が挙がるであろう、シャーリーズ・セロンが、醜女メイクで、さらに体重を13kg増量して挑んだ事で有名な作品。
彼女自身、見事、第76回アカデミー主演女優賞を獲得しました。


実話を元にしたストーリーで、13歳のころから売春婦として生計を立てているアイリーンは、すべてに絶望している。
そんな彼女の前に現れた、同性愛者であるセルビー。
意気投合し、さらには愛し合うようになる二人。
町を出て、二人で暮らそうと約束する二人、しかし先立つものはない。
アイリーンは、再び娼婦として客引きをするのだが、ひょんな事で相手の男を殺してしまう。
そして、次第に彼女は「殺人鬼」へと変貌していく・・・


シャーリーズ・セロンはその役の為、本人の手記も読んだというぐらいだから、実話とさほど変わらないのだろう。
もしそうだとするなら、なんて悲しくて、やるせない人生なんだろうと思う。


殺人を肯定することは無いが、オイラ自身、彼女を納得させる言葉を持ち合わせておりません。
「誰が決めたんだい?」、「ほんの少しでも私を手助けしてくれる人がいれば・・・」と泣き崩れる彼女に、普通の人生を送ってきたオイラがかけてあげられる言葉なんて・・・
劇中の最後の殺人の瞬間、それまで強がっていた彼女が「神様・・・お許しください」と泣きながら撃つシーンは、何とも言えない気持ちでいっぱいです。
オイラが幸せに暮らせている事、両親に愛されて育ったこと、いろいろ感謝してしまいます。


シャーリーズ・セロンの演技は、素晴らしかったと思います。
きっと以降の作品に大きな影響を与えることでしょうね。


気になるのは、被害者の遺族の方。
仕方が無いとはいえ、加害者に重点を置いた内容なので、いたたまれないかなと。